「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」「エレクトロニック・アジア」に6万1,000人超のバイヤーが来場
AI・ロボティクス関連技術への高い需要、グローバル展開を支える国際ビジネスプラットフォームとしての香港の存在感を示す

香港貿易発展局(HKTDC)主催の第46回「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」および香港易発展局・MMI Asia共催の第29回「エレクトロニック・アジア」は、4日間の会期を終え、2026年10月16日に盛況のうちに閉幕しました。両展示会には141の国・地域から延べ6万1,000人を超えるバイヤーが来場し、香港域外からは、日本、中国本土、インド、米国などを中心に来場があり、さらにカザフスタンやブラジルなどからの来場者数も堅調な伸びを示しました。香港が国際貿易ハブとしての地位を一層強固なものとするとともに、世界のイノベーション・テクノロジー産業と国際市場を結ぶ重要なビジネスプラットフォームとしての役割を改めて示しました。
「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」では、「AI・ロボティクス」「スマートウェルネス」「NEXTEntertainment」の3つを重点テーマに掲げ、多彩な商品が紹介されました。一方で、「エレクトロニック・アジア」では、電子部品、ディスプレー技術、プリント基板(PCB)、電子機器製造サービス(EMS)、試験・測定機器などの専門ゾーンを設置し、エレクトロニクス業界向けの包括的なワンストップ調達プラットフォームを提供しました。

両展示会には、15の国・地域から3,200社を超える企業・団体が出展し、日本からは、東芝ライフスタイル株式会社、そしてテクミ・コーポレーションが出展しました。また、会期中には、65の国・地域から130のバイヤーミッション団が来場しました。日本からは、一般社団法人まじめに輸入ビジネスを研究する会、株式会社Eifer、株式会社LeaguEなどのミッション団、総勢70社が参加したほか、韓国のサムスン電子およびSSG.COM、アルゼンチンのメルカドリブレなどの各地域の著名企業も来場されました。
業界の変革と高度化が進む中、両展示会は、従来の製品展示や調達の場にとどまらず、イノベーションの促進、業界内の交流、さらには異業種間の連携を支えるプラットフォームとしての役割を強めています。新設の「Future Industries Zone」には、テクノロジー企業、投資家、バイヤーから大きな関心が寄せられました。また、「GoGlobal Connect Zone」および関連プログラムも好評を博し、中国本土企業の海外展開ニーズや、香港の専門サービスを活用したいという需要が示されました。これらは、香港が産業界とグローバル市場を結ぶ架け橋として独自の役割を果たしていることを示しています。
調査結果:回答者の8割超がASEAN・中東市場に期待 AIが成長のけん引役に
香港貿易発展局が委託した第三者調査機関は、会期中、1,150社・団体を超えるバイヤーおよび出展者を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、回答者の96%が、今後12~24カ月の売上について、増加または横ばいを見込んでいることが明らかになりました。この結果から、業界の中期的な市場見通しについて、回答者の間で慎重ながらも前向きな見方が示されました。
回答者は今後の販売見通しについて、特にASEAN(83%)、中東(83%)、中国本土(81%)の各市場に対して強い期待を示しました。こうした結果は、企業が事業展開先の多様化を積極的に進めるとともに、新たな成長市場の開拓に取り組んでいることを示しています。
エレクトロニクス業界では人工知能(AI)の導入が進んでおり、調査対象企業の74%が、すでに生成AIを活用している、もしくは導入を計画していると回答しました。主な活用分野としては、製品設計・開発、データ分析・レポーティング、営業・顧客対応、ならびにマーケティングおよびコンテンツ制作が挙げられました。また、回答者の約60%が、今後2年間で業界に最も大きな影響を与える技術としてAIを挙げており、AIが今後の業界成長をけん引する主要な技術として期待されていることが明らかになりました。

RoboParkとFuture Industries Zoneに大きな注目
今年は、「RoboPark」と「Future Industries Zone」が主要な見どころの一つとなり、AI、ロボティクスをはじめとする先端技術分野の最新成果が紹介されました。120台を超えるロボットが展示され、その多くが「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」のRoboParkに集結しました。会場では、商業・サービス、産業・物流、エンターテインメント・ソーシャルインタラクション、医療・リハビリテーションの4つの主要分野における実用的な活用事例が披露されました。中国本土からは、UBTECH、AgiBot、DEEP Roboticsといった有力ロボティクス企業が出展し、研究開発から商業化、さらには実社会への実装に至るまで、ロボティクス技術の最新成果を紹介しました。
その中でも注目を集めたのが、2026年のRoboCup世界選手権で優勝したBooster Roboticsです。同社は会場で優勝機体となったヒューマノイドロボットを展示しました。Booster Roboticsのアジア太平洋地域セールスディレクターであるYang Liuyang氏は、「当社ブースには毎日約100組のバイヤーが訪れており、欧州やオーストラリアに加え、ブラジル、チリ、ペルーなどの南米市場からも来場があります。これは、海外市場におけるヒューマノイドロボットに対する高い成長可能性と商業需要を示しています。当社は国際事業の拡大に向け、香港を重要なビジネスプラットフォームとして積極的に活用しています。今四半期中に香港で1~2社の販売代理店を任命する予定であり、これにより当社技術の商業化を加速させるとともに、海外市場における活用領域のさらなる拡大を目指しています」と語りました。

新設「Future Industries Zone」 100社超が次世代技術を披露
今年新設された「Future Industries Zone」では、「Future Computing(次世代コンピューティング)」「Future Manufacturing(次世代製造)」「Future Marine & Quantum Technologies(海洋・量子技術)」「Future Microelectronics(次世代マイクロエレクトロニクス)」「Future Wellness(次世代ウェルネス)」の5つのテーマに焦点を当て、100社を超える企業が最先端技術やソリューションを紹介しました。その一つである香港企業のXeroptix Technology Limitedは、ロボットの「AIの頭脳」となる中核技術を展示し、アルゴリズム、ソフトウェア、ハードウェア、チップ設計に至るまでを網羅する統合ソリューションを提案しました。
Xeroptix Technology Limitedの最高技術責任者(CTO)であるSteve Kong博士は、「Future Industries Zoneは、イノベーション・テクノロジー企業が業界パートナーとの連携をより効果的に進めるとともに、投資家や企業ユーザー、さらには海外市場との接点を広げる貴重な機会となった」と述べました。会期中、同社はオーストラリア、中東、アフリカ、欧州を含む市場から50社を超える潜在顧客と商談を行い、その多くがロボティクス向けのフィジカルAI技術に強い関心を示したといいます。コン博士は、「展示会は期待を上回る成果をもたらしており、100万米ドル(約1億5,000万円)を超える潜在受注につながることを期待しています」と述べました。
両展示会には120社を超える新興企業やスタートアップが参加し、その多くが「Startup Zone」に出展しました。なかでも、香港のスタートアップ企業が独自に開発したイノベーションを世界市場に向けて発信し、大きな注目を集めました。AIを活用したニュース真偽検証アプリを開発する香港企業Fliqは、今回が初出展ながら、具体的な成果を上げました。同社のCEO兼共同創業者であるVictor Nesteruk氏は、「両展示会を通じて、中国本土、ブラジル、キプロスなどの市場から、潜在的な投資家やビジネスパートナー約30と接点を持つことができました。また、約20件の商談を実施し、2件の戦略的協業の機会を得ました」と述べました。さらに、「両展示会は、スタートアップ企業が国際市場と効率的につながることのできる優れたプラットフォームです。今後もぜひ参加したいと考えています」と語りました。
ビジネスマッチングに加え、両展示会では「Investment Matchmaking Programme」を通じて、スタートアップ企業の事業提携や資金調達も支援しました。
韓国の投資会社Posco Investmentは、戦略的な投資先の発掘を目的に展示会へ参加しました。同社の1案件当たりの投資規模は通常約75万米ドル(約1億1,000万円)です。Posco Investmentのベンチャーキャピタル・マネージャーであるオリビア・パーク(Olivia Park)氏は、「会期中に3~5社の有望なテクノロジー企業と面談しました。そのうち、ランナー向けスマートオーディオグラスを開発するスタートアップ企業については、現在、さらなるデューデリジェンス(投資審査)および継続協議を進めています」と述べました。
両展示会では数多くの新製品が初披露されました。中国・深圳を拠点とするVIGX Technology Co., Ltd.は、世界初となるポケットサイズのAI搭載外骨格ロボットを展示しました。同製品は、従来の産業用外骨格ロボットが抱えていた大型で扱いにくいという課題を克服したものです。同製品はバイヤーから高い関心を集め、欧州や北米に加え、アルゼンチン、ブラジル、チリなど南米市場からの有力バイヤーなど、会期最初の2日間だけで約1,000人が同ブースを訪れたと説明しています。
中国本土企業のグローバル展開を支援
香港貿易発展局は、香港特別行政区政府が主導する「GoGlobal Task Force」の主要構成機関の一つです。今年の展示会では、「GoGlobal Connect Zone」を新設し、中国本土企業の海外展開を支援するため、資金調達、知的財産、コンプライアンス、物流、リスク管理などに関する専門的なサービスを提供しました。同ゾーンでは、香港の国際的なビジネスプラットフォームと高度な専門サービスを活用しながら、企業のグローバル市場進出を後押ししました。同ゾーンには大きな反響が寄せられ、海外事業の拡大に関心を持つ企業や専門家から多数の問い合わせや参加登録がありました。また、多くの中国本土のテクノロジー企業が、本展示会を世界市場への進出を加速させる足掛かりとして積極的に活用しました。
その一例として、液冷式AIコンピューティングシステムおよびAIソリューションを提供するHuahon Data Technologyが挙げられます。同社は展示会を通じて国際展開を積極的に推進し、アジア、中東、欧州のバイヤーやビジネスパートナーとのネットワーク構築に成功しました。同社のCEOであるLuo Hua氏は、「当社のグローバル展開戦略は、ハードウェア製品の販売にとどまりません。AIエコシステム全体の構築を目指し、ハードウェア、プラットフォーム、アプリケーションを包括的に組み合わせた統合ソリューションを海外顧客へ提供していきます」と述べました。同社は現在、海外事業展開計画を積極的に進めており、今後1~2カ月以内に香港で法人を設立する予定です。香港をグローバル展開の重要拠点と位置付け、さらなる事業拡大を図ります。また同社は、「香港貿易発展局は海外バイヤーとのマッチングを支援するだけでなく、銀行や金融機関も積極的に紹介してくれました。これにより、香港での資金調達や海外展開に向けた取り組みを効果的に進めることができました」と展示会の効果を評価しました。
世界のバイヤーが革新的な製品を求めて来場
展示会には世界各地からバイヤーが集まり、革新的な技術や先進的な電子製品の調達に向けて活発な商談が行われました。ロボットの調達・統合ソリューションを手掛けるドバイの企業Action to ActionのCEOであるCizar Abughazaleh氏は、対話型学習や教育用途向けのロボットを探すために来場しました。同氏は、「本展示会では、さまざまな用途のロボットが専用展示エリアに集められており、バイヤーは効率的にサプライヤーを比較・検討しながら商談を進めることができます。当社はダンスロボット1台と、試験・評価用の大型ヒューマノイドロボット1台を購入しました。これらを活用し、今後のプロジェクトに向けたさらなる協業の可能性を模索していきます」と述べました。
中東からのバイヤーに加え、アフリカや南米などの新興市場からも多くのバイヤーが来場し、革新的な製品や技術の発掘に取り組みました。ケニアでロボティクスおよびインテリジェントシステム関連事業を展開するPixel Electricのマネージング・ディレクター、Masibo Levy Wafula氏は、展示会で中国本土のメーカーとの商談に成功し、事業の高度化に向けて約10万米ドル(約1,500万円)相当のスマートメーターおよび自動化ソリューションの調達を計画しています。また、ブラジルの大手電子機器卸売・販売会社であり、同国における東芝製品の販売代理店でもあるHayamaxの海外事業マネージャー、Fabio Marqui氏は、既存取引先との間で20万米ドル(約3,000万円)規模の発注を確定させたほか、香港、中国本土、台湾の複数の新規サプライヤーと商談を実施したと述べました。
100超の関連イベントを開催 180人以上の業界専門家が最新知見を共有
会期中には、フォーラムやロボットのデモンストレーション、実演パフォーマンスを含む100を超える関連イベントが開催されました。また、世界各地から180人を超える業界リーダー、専門家、企業関係者が登壇し、最新の知見や市場動向を共有しました。なかでも注目を集めたのが、中国本土企業の海外展開をテーマとした「GoGlobal」関連セッションです。恒生銀行や香港輸出信用保険局(HKECIC)をはじめとする金融機関や専門サービス機関の代表者が登壇し、資金調達、リスク管理、事業計画など、海外進出における重要なポイントについて議論しました。また、オーバーシー・チャイニーズ銀行の講演では、ASEAN地域における製造業エコシステムの最新動向や企業の事業拡大戦略が紹介され、同地域でのビジネス機会を模索する企業にとって実践的な知見が提供されました。
さらに、AIの活用、デジタルトランスフォーメーション(DX)、産業高度化、越境ビジネス機会などをテーマとした多彩なフォーラムも開催され、業界関係者の積極的な参加を集めました。こうしたセッションを通じて、技術革新や新たなビジネス機会に対する市場の高い関心がうかがえました。また、RoboParkでは、ロボットによるサッカー競技やストリートダンスパフォーマンスをはじめとするさまざまな実演イベントが行われ、ロボティクス技術の実社会における最新の活用事例が紹介されました。これらのプログラムは展示会に活気あふれるテクノロジーの雰囲気をもたらし、多くのバイヤーや来場者の注目を集めました。
【公式サイト】
香港エレクトロニクス・フェア(秋): https://www.hktdc.com/event/hkelectron-icsfairae/en
エレクトロニック・アジア: https://www.hktdc.com/event/electronicasia/en
写真ダウンロード: https://bit.ly/4hNaRLX




【香港貿易発展局について】
香港貿易発展局 (HKTDC) は1966年に設立された公的機関です。香港のビジネスプラットフォームを世界各地向けに発信することを目的として設立された香港貿易発展局は、東京・大阪の2事務所、中国本土の13事務所を含めて世界51カ所の拠点を通じて、香港と海外各地との双方向の経済・貿易促進に尽力しています。主に中小企業を対象に、国際市場におけるビジネスチャンスを創出するため、展示会、国際会議、ビジネスミッションなどを運営・実施しています。また、最新の市場分析や貿易関連情報をセミナーを通じて発信するとともに、SNSやニュースレターなどのデジタルチャネルを通じて提供しています。
詳しい情報は公式サイト:www.hktdc.com/aboutus(英語)、www.hktdc.com/Japan (日本語)をご覧ください。
フェイスブックを通じて日本語での情報発信も行っています。
www.facebook.com/HKTDC.Japan
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香港貿易発展局(HKTDC)主催の第46回「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」および香港易発展局・MMI Asia共催の第29回「エレクトロニック・アジア」は、4日間の会期を終え、2026年10月16日に盛況のうちに閉幕しました。両展示会には141の国・地域から延べ6万1,000人を超えるバイヤーが来場し、香港域外からは、日本、中国本土、インド、米国などを中心に来場があり、さらにカザフスタンやブラジルなどからの来場者数も堅調な伸びを示しました。香港が国際貿易ハブとしての地位を一層強固なものとするとともに、世界のイノベーション・テクノロジー産業と国際市場を結ぶ重要なビジネスプラットフォームとしての役割を改めて示しました。
「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」では、「AI・ロボティクス」「スマートウェルネス」「NEXTEntertainment」の3つを重点テーマに掲げ、多彩な商品が紹介されました。一方で、「エレクトロニック・アジア」では、電子部品、ディスプレー技術、プリント基板(PCB)、電子機器製造サービス(EMS)、試験・測定機器などの専門ゾーンを設置し、エレクトロニクス業界向けの包括的なワンストップ調達プラットフォームを提供しました。

両展示会には、15の国・地域から3,200社を超える企業・団体が出展し、日本からは、東芝ライフスタイル株式会社、そしてテクミ・コーポレーションが出展しました。また、会期中には、65の国・地域から130のバイヤーミッション団が来場しました。日本からは、一般社団法人まじめに輸入ビジネスを研究する会、株式会社Eifer、株式会社LeaguEなどのミッション団、総勢70社が参加したほか、韓国のサムスン電子およびSSG.COM、アルゼンチンのメルカドリブレなどの各地域の著名企業も来場されました。
業界の変革と高度化が進む中、両展示会は、従来の製品展示や調達の場にとどまらず、イノベーションの促進、業界内の交流、さらには異業種間の連携を支えるプラットフォームとしての役割を強めています。新設の「Future Industries Zone」には、テクノロジー企業、投資家、バイヤーから大きな関心が寄せられました。また、「GoGlobal Connect Zone」および関連プログラムも好評を博し、中国本土企業の海外展開ニーズや、香港の専門サービスを活用したいという需要が示されました。これらは、香港が産業界とグローバル市場を結ぶ架け橋として独自の役割を果たしていることを示しています。
調査結果:回答者の8割超がASEAN・中東市場に期待 AIが成長のけん引役に
香港貿易発展局が委託した第三者調査機関は、会期中、1,150社・団体を超えるバイヤーおよび出展者を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、回答者の96%が、今後12~24カ月の売上について、増加または横ばいを見込んでいることが明らかになりました。この結果から、業界の中期的な市場見通しについて、回答者の間で慎重ながらも前向きな見方が示されました。
回答者は今後の販売見通しについて、特にASEAN(83%)、中東(83%)、中国本土(81%)の各市場に対して強い期待を示しました。こうした結果は、企業が事業展開先の多様化を積極的に進めるとともに、新たな成長市場の開拓に取り組んでいることを示しています。
エレクトロニクス業界では人工知能(AI)の導入が進んでおり、調査対象企業の74%が、すでに生成AIを活用している、もしくは導入を計画していると回答しました。主な活用分野としては、製品設計・開発、データ分析・レポーティング、営業・顧客対応、ならびにマーケティングおよびコンテンツ制作が挙げられました。また、回答者の約60%が、今後2年間で業界に最も大きな影響を与える技術としてAIを挙げており、AIが今後の業界成長をけん引する主要な技術として期待されていることが明らかになりました。

RoboParkとFuture Industries Zoneに大きな注目
今年は、「RoboPark」と「Future Industries Zone」が主要な見どころの一つとなり、AI、ロボティクスをはじめとする先端技術分野の最新成果が紹介されました。120台を超えるロボットが展示され、その多くが「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」のRoboParkに集結しました。会場では、商業・サービス、産業・物流、エンターテインメント・ソーシャルインタラクション、医療・リハビリテーションの4つの主要分野における実用的な活用事例が披露されました。中国本土からは、UBTECH、AgiBot、DEEP Roboticsといった有力ロボティクス企業が出展し、研究開発から商業化、さらには実社会への実装に至るまで、ロボティクス技術の最新成果を紹介しました。
その中でも注目を集めたのが、2026年のRoboCup世界選手権で優勝したBooster Roboticsです。同社は会場で優勝機体となったヒューマノイドロボットを展示しました。Booster Roboticsのアジア太平洋地域セールスディレクターであるYang Liuyang氏は、「当社ブースには毎日約100組のバイヤーが訪れており、欧州やオーストラリアに加え、ブラジル、チリ、ペルーなどの南米市場からも来場があります。これは、海外市場におけるヒューマノイドロボットに対する高い成長可能性と商業需要を示しています。当社は国際事業の拡大に向け、香港を重要なビジネスプラットフォームとして積極的に活用しています。今四半期中に香港で1~2社の販売代理店を任命する予定であり、これにより当社技術の商業化を加速させるとともに、海外市場における活用領域のさらなる拡大を目指しています」と語りました。

新設「Future Industries Zone」 100社超が次世代技術を披露
今年新設された「Future Industries Zone」では、「Future Computing(次世代コンピューティング)」「Future Manufacturing(次世代製造)」「Future Marine & Quantum Technologies(海洋・量子技術)」「Future Microelectronics(次世代マイクロエレクトロニクス)」「Future Wellness(次世代ウェルネス)」の5つのテーマに焦点を当て、100社を超える企業が最先端技術やソリューションを紹介しました。その一つである香港企業のXeroptix Technology Limitedは、ロボットの「AIの頭脳」となる中核技術を展示し、アルゴリズム、ソフトウェア、ハードウェア、チップ設計に至るまでを網羅する統合ソリューションを提案しました。
Xeroptix Technology Limitedの最高技術責任者(CTO)であるSteve Kong博士は、「Future Industries Zoneは、イノベーション・テクノロジー企業が業界パートナーとの連携をより効果的に進めるとともに、投資家や企業ユーザー、さらには海外市場との接点を広げる貴重な機会となった」と述べました。会期中、同社はオーストラリア、中東、アフリカ、欧州を含む市場から50社を超える潜在顧客と商談を行い、その多くがロボティクス向けのフィジカルAI技術に強い関心を示したといいます。コン博士は、「展示会は期待を上回る成果をもたらしており、100万米ドル(約1億5,000万円)を超える潜在受注につながることを期待しています」と述べました。
両展示会には120社を超える新興企業やスタートアップが参加し、その多くが「Startup Zone」に出展しました。なかでも、香港のスタートアップ企業が独自に開発したイノベーションを世界市場に向けて発信し、大きな注目を集めました。AIを活用したニュース真偽検証アプリを開発する香港企業Fliqは、今回が初出展ながら、具体的な成果を上げました。同社のCEO兼共同創業者であるVictor Nesteruk氏は、「両展示会を通じて、中国本土、ブラジル、キプロスなどの市場から、潜在的な投資家やビジネスパートナー約30と接点を持つことができました。また、約20件の商談を実施し、2件の戦略的協業の機会を得ました」と述べました。さらに、「両展示会は、スタートアップ企業が国際市場と効率的につながることのできる優れたプラットフォームです。今後もぜひ参加したいと考えています」と語りました。
ビジネスマッチングに加え、両展示会では「Investment Matchmaking Programme」を通じて、スタートアップ企業の事業提携や資金調達も支援しました。
韓国の投資会社Posco Investmentは、戦略的な投資先の発掘を目的に展示会へ参加しました。同社の1案件当たりの投資規模は通常約75万米ドル(約1億1,000万円)です。Posco Investmentのベンチャーキャピタル・マネージャーであるオリビア・パーク(Olivia Park)氏は、「会期中に3~5社の有望なテクノロジー企業と面談しました。そのうち、ランナー向けスマートオーディオグラスを開発するスタートアップ企業については、現在、さらなるデューデリジェンス(投資審査)および継続協議を進めています」と述べました。
両展示会では数多くの新製品が初披露されました。中国・深圳を拠点とするVIGX Technology Co., Ltd.は、世界初となるポケットサイズのAI搭載外骨格ロボットを展示しました。同製品は、従来の産業用外骨格ロボットが抱えていた大型で扱いにくいという課題を克服したものです。同製品はバイヤーから高い関心を集め、欧州や北米に加え、アルゼンチン、ブラジル、チリなど南米市場からの有力バイヤーなど、会期最初の2日間だけで約1,000人が同ブースを訪れたと説明しています。
中国本土企業のグローバル展開を支援
香港貿易発展局は、香港特別行政区政府が主導する「GoGlobal Task Force」の主要構成機関の一つです。今年の展示会では、「GoGlobal Connect Zone」を新設し、中国本土企業の海外展開を支援するため、資金調達、知的財産、コンプライアンス、物流、リスク管理などに関する専門的なサービスを提供しました。同ゾーンでは、香港の国際的なビジネスプラットフォームと高度な専門サービスを活用しながら、企業のグローバル市場進出を後押ししました。同ゾーンには大きな反響が寄せられ、海外事業の拡大に関心を持つ企業や専門家から多数の問い合わせや参加登録がありました。また、多くの中国本土のテクノロジー企業が、本展示会を世界市場への進出を加速させる足掛かりとして積極的に活用しました。
その一例として、液冷式AIコンピューティングシステムおよびAIソリューションを提供するHuahon Data Technologyが挙げられます。同社は展示会を通じて国際展開を積極的に推進し、アジア、中東、欧州のバイヤーやビジネスパートナーとのネットワーク構築に成功しました。同社のCEOであるLuo Hua氏は、「当社のグローバル展開戦略は、ハードウェア製品の販売にとどまりません。AIエコシステム全体の構築を目指し、ハードウェア、プラットフォーム、アプリケーションを包括的に組み合わせた統合ソリューションを海外顧客へ提供していきます」と述べました。同社は現在、海外事業展開計画を積極的に進めており、今後1~2カ月以内に香港で法人を設立する予定です。香港をグローバル展開の重要拠点と位置付け、さらなる事業拡大を図ります。また同社は、「香港貿易発展局は海外バイヤーとのマッチングを支援するだけでなく、銀行や金融機関も積極的に紹介してくれました。これにより、香港での資金調達や海外展開に向けた取り組みを効果的に進めることができました」と展示会の効果を評価しました。
世界のバイヤーが革新的な製品を求めて来場
展示会には世界各地からバイヤーが集まり、革新的な技術や先進的な電子製品の調達に向けて活発な商談が行われました。ロボットの調達・統合ソリューションを手掛けるドバイの企業Action to ActionのCEOであるCizar Abughazaleh氏は、対話型学習や教育用途向けのロボットを探すために来場しました。同氏は、「本展示会では、さまざまな用途のロボットが専用展示エリアに集められており、バイヤーは効率的にサプライヤーを比較・検討しながら商談を進めることができます。当社はダンスロボット1台と、試験・評価用の大型ヒューマノイドロボット1台を購入しました。これらを活用し、今後のプロジェクトに向けたさらなる協業の可能性を模索していきます」と述べました。
中東からのバイヤーに加え、アフリカや南米などの新興市場からも多くのバイヤーが来場し、革新的な製品や技術の発掘に取り組みました。ケニアでロボティクスおよびインテリジェントシステム関連事業を展開するPixel Electricのマネージング・ディレクター、Masibo Levy Wafula氏は、展示会で中国本土のメーカーとの商談に成功し、事業の高度化に向けて約10万米ドル(約1,500万円)相当のスマートメーターおよび自動化ソリューションの調達を計画しています。また、ブラジルの大手電子機器卸売・販売会社であり、同国における東芝製品の販売代理店でもあるHayamaxの海外事業マネージャー、Fabio Marqui氏は、既存取引先との間で20万米ドル(約3,000万円)規模の発注を確定させたほか、香港、中国本土、台湾の複数の新規サプライヤーと商談を実施したと述べました。
100超の関連イベントを開催 180人以上の業界専門家が最新知見を共有
会期中には、フォーラムやロボットのデモンストレーション、実演パフォーマンスを含む100を超える関連イベントが開催されました。また、世界各地から180人を超える業界リーダー、専門家、企業関係者が登壇し、最新の知見や市場動向を共有しました。なかでも注目を集めたのが、中国本土企業の海外展開をテーマとした「GoGlobal」関連セッションです。恒生銀行や香港輸出信用保険局(HKECIC)をはじめとする金融機関や専門サービス機関の代表者が登壇し、資金調達、リスク管理、事業計画など、海外進出における重要なポイントについて議論しました。また、オーバーシー・チャイニーズ銀行の講演では、ASEAN地域における製造業エコシステムの最新動向や企業の事業拡大戦略が紹介され、同地域でのビジネス機会を模索する企業にとって実践的な知見が提供されました。
さらに、AIの活用、デジタルトランスフォーメーション(DX)、産業高度化、越境ビジネス機会などをテーマとした多彩なフォーラムも開催され、業界関係者の積極的な参加を集めました。こうしたセッションを通じて、技術革新や新たなビジネス機会に対する市場の高い関心がうかがえました。また、RoboParkでは、ロボットによるサッカー競技やストリートダンスパフォーマンスをはじめとするさまざまな実演イベントが行われ、ロボティクス技術の実社会における最新の活用事例が紹介されました。これらのプログラムは展示会に活気あふれるテクノロジーの雰囲気をもたらし、多くのバイヤーや来場者の注目を集めました。
【公式サイト】
香港エレクトロニクス・フェア(秋): https://www.hktdc.com/event/hkelectron-icsfairae/en
エレクトロニック・アジア: https://www.hktdc.com/event/electronicasia/en
写真ダウンロード: https://bit.ly/4hNaRLX




【香港貿易発展局について】
香港貿易発展局 (HKTDC) は1966年に設立された公的機関です。香港のビジネスプラットフォームを世界各地向けに発信することを目的として設立された香港貿易発展局は、東京・大阪の2事務所、中国本土の13事務所を含めて世界51カ所の拠点を通じて、香港と海外各地との双方向の経済・貿易促進に尽力しています。主に中小企業を対象に、国際市場におけるビジネスチャンスを創出するため、展示会、国際会議、ビジネスミッションなどを運営・実施しています。また、最新の市場分析や貿易関連情報をセミナーを通じて発信するとともに、SNSやニュースレターなどのデジタルチャネルを通じて提供しています。
詳しい情報は公式サイト:www.hktdc.com/aboutus(英語)、www.hktdc.com/Japan (日本語)をご覧ください。
フェイスブックを通じて日本語での情報発信も行っています。
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