ながおか 米百俵フェス ~花火と食と音楽と~ 2026DAY2ライブレポート Part.3
2日間に渡るフェスで大トリを務めたのは、6月13・14日に結成の地・神奈川県川崎市にあるUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)で、活動を締めくくるラストライブを行う「SHISHAMO」。MCの安東が「新潟で見る、SHISHAMOの最後を見届けてほしい」と呼びかけると、今年最後の米フェスのジングルが会場に響いた。ベースの松岡彩は中央のお立ち台に登ると、両手を振ってあいさつ。ボーカル・ギターの宮崎朝子も続けて登り「米フェス!米フェス!!」と呼びかけ。右手を挙げると「どうもこんばんは。トリ務めさせていただきますSHISHAMOです」と語り、「君と夏フェス」で新潟でのラストライブが始まった。"最後"という悲しみと、出会えた喜び。複雑な感情が入り交じる中、ファンは拳を上げ、思いをステージに届け続けた。思いの数だけ上がった拳が、波のように揺れ、冒頭からワンマンのような盛り上がりを見せていた。冒頭で宮崎がミニピアノを演奏した「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」、ピンク色の照明の中で歌った「フェイバリットボーイ」など、思い出を刻むように次々に楽曲を披露していった。最初のMCでは宮崎が「米フェス!暑いよね。私、絶対寒いと思って、新潟だし、夜だしと思って」と着込んだ自身の判断をうらめしそうに苦笑い。「3曲やっただけで汗がだらだら」と困った顔を見せると、ファンから「かわいい!」と声がかかり、「えっ?」と笑顔。再び「かわいい!!」と別の方向からも聞こえると「これを胸に生きていこう。自己肯定感上るね。ありがとうございます」とニコニコしていた。SHISHAMOは昨年に続いて2度目の米フェス出演。宮崎は「昨年初めて出させていただいて、その時に大好きになってしまいました。今年はこっちから『出させてください!』とお願いしました」と裏話を明かしていた。米フェスで特に印象的だったものについて宮崎は「素晴らしいところ、1番心に残ったのは花火ですね。すごい良かった」と語ると、松岡も「長岡の花火が初めてで、すごいとは聞いていたけど、素晴らしすぎて感動しました」と昨年を振り返っていた。この日のライブ後には、クライマックスとして、SHISHAMOの楽曲に合わせて花火が上がることも説明。「私たちも忘れられない日になると、楽しみに思ってやってきました」と目を輝かせていた。続けて「私たちSHISHAMOは、来月で活動を終了します。あと、2週間くらい…。残りのライブも片手で収まるくらいになっています。なのでこうやって米フェスに出させていただいてうれしいです。一生懸命演奏するので最後まで楽しみに聴いて」と観客を見つめると、「夏の恋人」を演奏。「♪いつまでもここにいたいけど…」と恋人との別れを歌った歌詞に、今のSHISHAMOの姿が重なっていく。一小節ずつ大切に思いを込めて届けられる言葉、その音色は、音楽で別れを告げているようにも感じられた。ステージ横のビジョンに大輪のひまわりが映し出される中で奏でた「ハッピーエンド」。俳優の青木柚が出演したミュージックビデオの一部を放映した「運命と呼んでもいいですか」などしっとりと聴かせていった。アップテンポな「狙うは君のど真ん中」、軽快な「最高速度」と続けたライブの、最後に選んだのは宮崎のギターのカッティングを合図に多幸感があるホーンが引っ張る「明日も」。ビジョンにはその歌詞が映し出された。胸の内を吐露した「♪良いことばかりじゃないからさ 痛くて泣きたい時もある」や、宮崎が優しく歌う「♪泣くのは別に悪いことじゃない」などの言葉にどれだけの人が支えられたのだろうか。会場には泣きながら声援を送り続ける人、SHISHAMOのロゴが入ったタオルで涙を何度も何度も拭う人、タオルに顔を押しつけたまま前を向けなくなっている人など、それぞれの形で新潟でのバンドの最後を見守っていた。その一人一人を見つめるように宮崎は優しい笑顔で歌い、心に音を刻むようにギターを鳴らし続けた。みんなの"ヒーロー"だったSHISHAMOの決断を後押しするように、最後には大きな拍手が送られていた。手をつないでお立ち台に立つと3人でバンザイ!「ありがとうございました!」と声を揃えて一礼すると、宮崎はファンに投げキスを贈り、笑顔で愛を交換しあっていた。
エモーショナルな余韻が残るステージに、登場したMCの安東は「2026年の米フェスをしめくくる。まさにファイナルにふさわしいトリでした。皆さま改めて、新潟ファイナルのSHISHAMOに大きな拍手をお願いします」と呼びかけると、再び大きな拍手が。SHISHAMOをよく聴いていたと明かした高濱アナウンサーは「『明日も』の『♪痛いけど走った』という歌詞に励まされました。とりあえず、今は走れば良いんだと思って、この歌詞には、受験も就職活動も本当に助けてもらった」と感謝。「米フェスで長岡の皆さんとSHISHAMOの最後のライブを聴けて良かったと思います」と感無量の表情を見せていた。


<花火>
2026年の米フェス。クライマックスを飾る「長岡花火」では、毎年8月2日、3日に開催される「長岡まつり大花火大会」と同様に、冒頭で「慰霊と平和への祈り」を込め、白一色の花火が3発、静かに打ち上げられた。この3つの花火には、太平洋戦争中だった1945年8月1日に起きた「長岡空襲」で亡くなった1489人の鎮魂と、戦災から復興を成し遂げた先人への感謝、さらに世界平和実現への願いを未来に繋げていく決意が込められている。
続くミュージックスターマイン「HOPE TO THE FUTURE」では、「米百俵フェス」に出演経験があるJUNNA、松下洸平、琴音、wacciの橋口洋平が歌うオリジナル曲 「HOPE TO THE FUTURE~未来へ~」に合わせて夜空に大輪の花が咲いた。花火は未来の象徴。このプログラムには、未来へ向けて躍進するひとりひとりに贈る「エール花火」のおもいもこめられている。続けざまに大きな音を立てて打ち上がる花火は、夜空が明るくなるほど。あちこちから「おー」と歓声が上がっていた。2つ目のプログラム「フェニックス」は、2004年10月23日に発生した「中越大震災」からの復興を祈願したもの。平原綾香が壮大に歌う「Jupiter」の音楽に合わせて、花火が打ち上がると時折、「幸せを運ぶ青い鳥」ブルーフェニックスが飛来。安東は「『Jupiter』がしみますね」と頷くと、高濱は「感謝の思いを花火で表現するっていうのが長岡魂」と胸を張っていた。
花火の最後は、宮崎も「楽しみ」と話していた「フェアウェル花火」。今年から新設されたプログラムで、初日は氷川きよし+KIINA.。2日目はSHISHAMOとそれぞれの日にトリを務めたアーティストの人気曲が会場に響く中、花火師が曲のイメージをもとに花火を演出。華やかで美しいオリジナル花火には、「今年の米フェスの思い出を、花火と共に持ち帰ってもらい、また来年会いましょう!」という思いも込められている。この日は、ステージでも披露されたSHISHAMOの「明日も」に合わせて打ち上げがスタート。フェスの盛り上がりを再燃させるような盛り上がりを見せていた。出演したSHISHAMOに感謝を示しているような花火が終わると、高濱は「曲に合っていましたね。今のSHISHAMOさんを現すような花火でした。ひと言で言うと最高でした!」と夜空を見つめて笑顔。安東は「改めて解散が信じられない」と残念がっていた。安東が「ここまで素晴らしい花火を上げてくれた花火師さんに、ありがとうのライトウェーブを送りましょう」と観客に呼びかけると、スマートフォンの白いライトが会場に点灯し、一面光の海に。揺れる光とともに「ありがとう!!」とスマートフォンを揺らすと、山の上の花火師から花火が1発、返礼として空に打ち上げられていた。安東は「皆さん、家に帰るまでが米フェスです。皆さんが無事にご帰宅されることを祈っております。皆さま本当にありがとうございました。気をつけてお帰り下さい。皆さんのお陰で成功できました!!」と感謝。2日間、熱いライブを展開するアーティストや、音楽を愛する観客などが映し出されていたビジョンには「ご来場ありがとうございました!また長岡で会いましょう!」と関係者からメッセージが記されていた。

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【各エリア紹介】
<フードエリア>
フェス飯が充実しているのも米フェスの魅力の一つ!人気アーティストが揃ったステージと同じく、フードエリアには長岡や新潟の逸品がラインアップしている。揚げたての栃尾揚げや、新潟背脂ラーメンなど、おいしいものが勢揃いしたブースは、公園に遊びに来た子ども連れの親子なども列を作っていた。中でも長岡産のコシヒカリを使ったおにぎりを楽しめる「DJ米三郎の店」は毎年大好評。人気ナンバーワンは、プチプチとした食感が楽しい「すじこ」で、新潟県中越地方の伝統野菜「神楽南蛮(とうがらし)」を刻み、越後味噌を砂糖やみりんと合わせて練り上げた「神楽南蛮味噌」のおにぎりや、越後牛を使ったプレミアムおにぎりなど21種類を老若男女が楽しんでいた。水に恵まれた長岡は、京都府京都市に次いで酒蔵が多い場所。朝日酒造、吉乃川など15蔵が自慢の酒を販売するブースでは、飲み比べを楽しむ人の姿もあった。ライブの合間に軽食を楽しみたい人には、ジェラートやクレープなどスイーツが喜ばれていた。持続可能なフェスの実現を目指す米フェスでは、食用に適さない米などを原料にしたバイオマスプラスチック製のリユースカップとプレートを導入。利用者は「SDGsコーナー」か「各店舗」で500円のデポジットと引き換えにリユースカップを入手し、以降は同じカップでドリンクなどを購入。会場内での使い捨てプラスチック食器の使用量削減を実現した。帰宅時には、「SDGsコーナー」でデポジットの返金を受けられるほか、お土産としてカップを持ち帰る人も見られた。



<キッズパーク>
長岡と言えばこれ!というものを集めたのが、今年のキッズパーク。創立71周年を迎えた「長岡青年会議所」が運営するキッズパークでは、大人も楽しめる工夫に富んでいた。長岡や新潟の文化を楽しみながら学んでほしいと、火焰(かえん)土器を手にできるブース、黄金の錦鯉を持ち上げることができるブースなど、ユニークな企画がいっぱい。初日には山古志から闘牛1頭、2日目にはアルパカが3頭来場し子どもたちが餌やりをするなど、興味津々になっていた。山古志にアルパカがやって来たきっかけは2004年に発生した新潟県中越地震。復興を目指す人々の「元気になれば」と米国コロラド州から日米友好のシンボルとして2009年に贈られたのだという。最初は3頭だったアルパカは現在、順調に繁殖が進み「山古志アルパカ牧場」として多くの観光客に親しまれるようになったという。大きな花火玉、米俵が積み上げられた会場内では、撮影しながらめぐるフォトラリーも展開。米俵は持ち上げることもでき、女性も挑戦していた。撮影した写真をSNSに投稿すると渡される縁日のチケットでスーパーボールすくいや射的に挑戦することもできた。子どもたちの大歓声が響いたのは1日1度催された「泡まみれタイム」。夏日になった初日は、噴射された泡にまみれた幼児らが大はしゃぎしていた。同エリアは、米フェスのチケットを持っていない人も参加可能。音楽ファンはもちろん、公園に遊びに来た人も一緒になってイベントを満喫していた。


<こども音楽食堂>
チケットを持っている小学生以下の子供を対象にした「こども音楽食堂」は今年初の試み。500円でリユースできる食器を購入すると、「長岡産コシヒカリ」「長岡ポークと地元野菜のごろっとカレー」「新潟からあげ」「かき氷」など用意された10種類ほどのメニューが1日食べ放題とあり、たくさんの親子連れがテントを訪れていた。子どもたちは食事を済ませると、自分で食器を洗浄するなど、おいしく楽しく、食育を学んでいた。テントの横では、ひなたやあきまるさらが、1日2回わくわくライブも実施。数メートルの距離でギターの演奏を見学するなど興味津々だった。

<キャンプエリア>
普段はキャンプ場として解放されていない国営越後丘陵公園。米フェスの期間だけ、特別に販売される「キャンプチケット」は、1サイト4名までが利用可能で、2日間のフェスの入場券がついているお得なもの。毎年、音楽と自然を愛する人たちに大人気だ。管理をしていた男性スタッフによると、今年はテントの中からもステージや花火を障害物なく楽しめる高台が、「音もクリアに聴こえる」と人気が高かったという。ライブエリアにも近く、本番中の行き来もラクラク。至近距離にフードエリアもあり、テントに持ち帰ってゆっくりできると子ども連れなどにも好評だったという。


【学生ボランティアとの取り組み】
<学生ボランティア"BOOSTERS">
米フェスでは、次代を担う若者に様々な経験をしてほしいと、長岡市内に在住・通学する高校生以上の学生を対象にボランティアを公募。事前のPR活動や、フェス当日の現場スタッフなどを通じ、エンタテインメントの仕事を体験できる機会を提供することで、夢や目標などが生まれてくれたらという願いを込め、昨年より実施されている。
広大な会場では、来場者が困ることがないように移動などをサポートしていたほか、ゴミの分別などをお手伝い。サークルの仲間同士、同級生同士と日頃から培っているチームワークをいかして、大車輪の活躍を見せていた。中でも印象に残ったのは、関係者らとすれ違う際などに必ず「お疲れ様です!」と笑顔で声をかけていたこと。初日は夏日になるほどの暑さ、2日目は雨が降る時間もあり、野外ならではの厳しさもあったが、元気な声に何度も励まされた。
取材・文/翡翠
撮影/(株)GEKKO
花火撮影/井上スタジオ
【関連リンク】
■ながおか米百俵フェス公式サイト
https://www.comefes.net/
■ながおか米百俵フェス公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/n_comefes
■ながおか米百俵フェス公式インスタグラム
https://www.instagram.com/nagaoka_comefes/
■ながおか米百俵フェス公式LINE
https://lin.ee/qguuwxq
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