おかだ紅雪庭

おかだ紅雪庭

2013-03-28 15:03:10

 四季折々の風情を感じつつ、
不思議な「いごこち感」を持つ部屋で、蕎麦を食べる。

その建物は、2年という歳月をかけて建設された荘厳な風格を持ち、
80年という歳月を経てもなお、色あせない巧みさを持つ。

高級料亭?いいえお蕎麦屋です。
本日は「おかだ紅雪庭(こうせつてい)」にお邪魔しました。




このお店の事を話すときは、まずその建物を知っておく必要があります。
旧岡田邸は昭和8年(1933年)に「清酒北の誉」酒造の創設者 岡田重次郎さんの
自宅として建てられました。

その当時でも「見積もりのない建物」と言われた、贅を尽くした和洋折衷な建物です。
国登録の有形文化財となるほど、歴史的に古い建物なのに
丸い窓やステンドグラス、玄関が3つあったりと、ハイセンスなつくりです。
そんな外見もさることながら、「おかだ紅雪庭」は屋内にこそ店名を表す景観があります。

「内庭の木々は秋になると一斉に色づき、庭一面紅葉で紅い絨毯となります。」
「冬も雪の白と木々の黒が水墨画のようなコントラストを産んできれいですよ」と
店舗名「紅雪庭」の由来でもある内庭を紹介していただいたのは、
旧岡田邸200年財団 代表理事 高橋富士子(たかはし ふじこ)さん。




「建物はL字型に建っているので、内庭は建物の中に入ってこないと見えません」
「ぜひ中に入って四季により見え方の変わるこの景観を楽しんでほしいと思います。」と
高橋さんもこの建物にとても愛着をもっている様子でした。

確かに、建物の中は広々としているのに、包み込まれるようなぬくもりを感じるし
扉の立てつけ、欄間の装飾、階段の窓など丁寧な職人芸と
お客様に楽しんでいただく遊び心が随所にあります。




「階段の窓には銅が混ぜてあり、少し黄色くなっています。」
「日がさすと階段や壁を夕日のように染めるんですよ」と楽しそうに教えて頂きました。
階段は大きい玄関(当時の来客用だと思われる。現在は店舗入り口)から入ってすぐにありますので、
そこから入ってきた人は階段の踊り場にある大きい窓からさす日の輝きを見たことでしょう。
こんな細かなところにまで、もてなしの心がある家だったんですね。




さて、建物が素晴らしいのはイイが、じゃあ中に入って食べるものはというと
「蕎麦は職人が厳選した、道内産と茨城産のそば粉を独自にブレンドして、
石うすで引いています。」
「蕎麦の香りを感じていただきたくて、うちでは9割蕎麦をお出ししています」と
これまた、随所にこだわりが。

なぜ、比較的庶民的な「蕎麦」にしたんですか?と聞いてみたところ
「高級懐石なども考えたのですが、
お客様に来ていただきやすい食べ物にしようと思ったんです」とのこと。
そこには、この建物の事を知ってほしい。見てほしいという思いがあるようです。

「とにかく中に入って見て、感じてほしいです。」
「忙しい時でなければ、私や従業員が屋内をご案内させていただきますよ」
と私たちも旧岡田邸の中を案内してもらいました。

「建物をただ保管するのではなく、活用されてこそ生きる「動体保存」という考えで、
この建物を200歳まで残して行こうとしてます」と
使われてるからこそ分かる価値があるという事を教えて頂きました。

例えば、お見合いや接待なんかにも使える高級感と上質感。
それでいて、友人とお昼に蕎麦でもと気軽に立ち寄れる親近感。
この両方を併せ持つお店はなかなかありません。

それもこれも、元来、人の住む家として建てられ
お客様をもてなす心が随所に盛り込まれた「旧岡田邸」という建物のなせる業だし、
そんな過去の思いを受け継ぎ、「紅雪庭」として人々の憩いの場として
復活、保存している高橋さん達がいるからにほかなりません。

自分の家より居心地がいいかもしれない。
そんな「おかだ紅雪庭」で、たまには自分を「おもてなし」してみてはいかがでしょうか。



Googleマップ


蕎麦と料理 おかだ紅雪庭
北海道旭川市5条通16丁目1099番地
TEL:0166-22-5570
営業時間:昼11:30~15:00 夜17:30~21:30
定休日:水曜日
駐車場 建物裏手 または「やわらぎ斎場」提供駐車場

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