新ばし しみづ (鮨:新橋) 凛とした空気、清々しさも感じた良き鮨屋 | 凛

新ばし しみづ (鮨:新橋) 凛とした空気、清々しさも感じた良き鮨屋

2018-01-16 00:01:00


新橋駅烏森口を出て、烏森神社参道の脇を入った路地裏。

駅前はサラリーマンの聖地らしい喧騒に囲まれるが、
路地裏に一歩入ると静かで落ち着いた雰囲気に変わる。

17:30の予約時間になると若衆が暖簾を出し、
「いらっしゃいやし」とお江戸らしい挨拶。


新ばし しみづ。

大阪で通う「寿し おおはた」の大畑親方がリスペクトする名店。
今回、予約も親方にお願いした。

カウンター8席。
身体が大きく、厳つい顔つきの清水親方の正面に案内された。

魚の脂で飴色に輝くつけ台に、ここが鶴八一門であることを再認識する。


大阪ではもう感じぬが、江戸で初めての鮨屋はいささか緊張する。

小瓶のビールを流し込み、喉の渇きを潤し、緊張をほぐす。
酒も呑むつもりなので、ツマミから始めてもらう。

まず、真蛸のぶつだ。
塩加減も良く、美味い。

ただ、蛸は関西で香り高いものに馴れているので感動はない。

ビールを飲み干し、冷酒に切り替える。


続いては甘鯛だ。

昆布締めを細切りにし、皮や木の芽と和える。
初めての食べ方だ。

水分の多い甘鯛は昆布締めがやはり美味く、
酒が進む一品だ。


蒸し牡蠣。


鰹は脂乗りもとても良いが、熟成だろうか、
熟れた感じのある深い旨味が強く印象に残った。

よし、もう握りを喰おう。
ツマミを止めてもらい、お茶に切り替える。


平目。

脂乗りは軽めだが、むっちりした身には、
旨味がしっかりと蓄えられている。

そして、熱々の粉茶が美味い。
いつも呑んだくれる野暮だが、やはり鮨にはお茶かと考えさせられる。

若い衆が間髪容れずお茶を差し替える。
東京では当たり前かもしれないが、大阪ではまあ珍しい光景だ。


スミイカ。

赤酢の酢飯である。
弟弟子の鶴八分店よりも、酢が立っている。

イカには少々強すぎる感はあるが、大阪で急増する赤酢勘違い鮨屋よりも、
まろやかさのある塩梅で、美味い酢飯だと思う。


赤身。


中トロ。


トロ。

赤身からトロを3部位を続けて食べると、
香り、酸味、旨味、脂、それぞれの構成バランスの違いが明確で、
タネ質を超えた美味さを感じる。

そうか、この酢飯と合わさると俄然美味くなるのか。
マグロの味に、酢飯塩梅がピタッと寄り添っているように思える。

鮨はタネと酢飯のバランスが最も大事。
この店でも改めて教えられる。


身厚いコハダにはたっぷりの脂が乗り、青い旨味と脂の甘みが、
塩と酢でシャープに整えられる。

しっかりと締められているが、まろやかさも感じる塩梅。
美味いコハダだ。


大きく、厚みのある蝦蛄。
各地で水揚げが激減した蝦蛄は、滅多に口に出来なくなった。

親方と隣客との話から察するに、北海道・小樽あたりの蝦蛄。

身には蟹の身のような甘みと旨味があり、
食感としてホクホクとしっとりが並存する。

素晴らしい漬け込みの仕事。


続いて漬け込みダネの代表、蛤。

口に入れると蛤の旨味をたっぷり含んだ薄甘い漬け汁が溢れ、
そこに濃厚な煮詰めの甘みが追いかけてくる。

固くはなく、サクッとした歯切れの良さも心地よく、実に美味い。


ブリはたっぷりと脂が乗っているが、サッと切れてくどくない。


型が大きく、厚みもたっぷりの赤貝。

サクサクッと噛むごとに、上質な磯の香りと旨味が溢れ出る。


鯖。

力強い酢飯であるが、それが気にならないぐらいの脂。
脂がとろけてその甘みがサーッと去っていくと、
程よい加減の塩味・酸味、そして濃い旨味が口に残る。

いやあ美味い。


小柱、大星と言っていいサイズだろう。

噛むと縦の繊維がほどけるような食感が心地よく、
品良い甘さと香りが駆け抜けていく。

パリっとした海苔がまた美味い。


蛤の吸い物。

蛤の旨味がとても濃厚。

車海老。

なかなか立派なサイズで、厚みもある。
しっかりと甘く、海老の旨味もミシッと詰まっている。


サヨリ。


イクラ。

関西では出汁を効かせたつゆに漬け込む店が多いが、
お江戸はシンプルな調整を好むように見受けられる。

そのため、魚卵そのものの風味をシンプルに楽しむ。
妙な例えだが、イクラ握りというより、玉子掛けご飯の趣きあり。
(翌日行った「鮨 太一」の親方もそう言った)


アオヤギ。

小柱は多くの鮨屋が使えど、アオヤギを使う店は多くない。
親方の師・新橋鶴八の石丸親方も、その師・神保町鶴八の師岡親方も使わなかったはず。

貝柱に比べて不遇の身であるアオヤギだが、私は結構好きなのだ。

シャキシャキというか、シャリシャリというか独特の歯触りに、
強すぎるほどの磯の香りに、強い甘み。

酢飯が力強いと美味いタネだと思うし、実際に喰ってみて美味かった。


海胆。


脂は強くない時期ながら、舌に触れるととろけていく。

柔らかくふんわりとした美味さ、そして芳しい香り。

半分ではなく、煮詰めで1カンを追加で頼みたいが、
どうやら満腹で入りそうにないのが至極残念。

大阪の鮨屋でも穴子は「焼き一辺倒」から煮・蒸し仕事へ大きく転換した。
それでも東京で穴子を食べる度に、絶望的な平均点の差を感じる。


鞍掛けに握った玉子で締め。

1カンが大きく、酢飯分量も多めのため、満腹になり追加はなし。

ツマミを少し頼み、ビール小瓶1本と冷酒1合で2万円と想定していたより安い。
握りだけなら1万円台前半だろうと考えると、かなり安い値付けだと思う。

強面の親方のため最初は緊張したが、話してみると気さくで、丁寧な気配りも見せる。
これぞ「鮨屋のオヤジ」という雰囲気・所作はさすが東京の人気店であって、
とてもじゃないが大阪は敵わないなと改めて痛感した。

また、隣席の夫婦がシャンパンやぬる燗でツマミを楽しんだ後、
「おまかせは全部食べられない、好きなものを少しだけ頼めないか」と聞くと、
親方は「タネ札からお好きなのをお好きなだけ頼んでください。
お好みできなければ鮨屋じゃありませんから」と返した。

大阪でもお好みお断りの店が増えつつある中、
昔ながらの鮨屋の流儀を守る親方の姿勢が清々しく思えた。

<江戸下向 平成29年>東京駅 斑鳩 (ラーメン:東京駅)新橋焼きとん 浅草橋店 (焼きとん:浅草橋)文殊 馬喰横山店 (立ち食い蕎麦:馬喰横山)鮨 太一 (鮨:銀座)鶴八分店 (鮨:新橋)

【訪問時期:2017年11月後半】

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新ばし しみづ



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