アール座読書館@高円寺~お一人様カフェの読書特化形態 | アール座読書館

アール座読書館@高円寺~お一人様カフェの読書特化形態

2016-10-04 22:06:02

自店を今年3月で閉めるのと前後して、移転先となる物件を探している時、「これまで仕事の営業時間と合わず行けなかった店に行きたい」というのと「その街にはそんな喫茶店があって、お客さんはどんな過ごし方をしているのか知りたい」というのがあって、幾つか店を渡り歩いたんだけど、その中の一つに、これを期に是非とも行きたいと思ったのがコチラ、アール座読書館。
お喋り禁止のカフェとしてよくメディアに取り上げられる店で、移転前にウチが取り上げられるとよく一緒に載っていた。どちらかと言うと、ウチが一人席のみで私語厳禁というわけでなく、あくまで珈琲やケーキをジックリ味わうための、一蘭的味集中システム店なのに対し、アールの方は一応二人席もあって喋らなければOKの、読書空間を第一に考えられた店、と言えるのではないだろうか。

実はこのタイミングでUPしたのには訳がある。情けない話、自店が移転して4ヶ月、移転前では考えられない程、あんまお客さんが来てくれなくて、ザックリと似た感じのコンセプトで比較的近場のコチラから、かなりイイ状態で珈琲もケーキも提供できているので、興味持ってくれたらハシゴしてちょ。
【結構人ミルクホール 阿佐ヶ谷住宅】
という意味で、今回取り上げてみることにしやした。

南口駅前のルック商店街の裏手にあって、古くからの名喫茶ネルケンの近くと分かっていたのだが、いざ行ってみると全然わからない。近くをグルグル回ってたら、モルタルアパートのような2Fへ上がる階段に看板を発見した。

アール座読書館【食べログ】
★★★★☆ 4.5 単純に味で
所在地:東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F

階段を上がると、公団アパートのようなフツーの玄関扉がお出迎え。中が完全に見えないので、秘密クラブ的で、知らなければ開けることはないだろう。
とはいえ案内板が出ているので気後れなく開けると、中は焦げ茶色、というかほぼ黒い空間で、僅かな照明と外から漏れる明かりに、薄っすらと店の様子が浮かび上がる。

草木が生い茂り、その隙間から水槽に泳ぐ金魚が窺えるという、一歩間違えば廃墟かゴミ屋敷的ワチャワチャ感。オサレとも違う、カオス寸前でウマイことディープな空間が保たれている。よく見ると雑居ビルのようなベースの設えが所々見受けられるが、古民家でも何でもない空間をよくここまで作り上げたなと関心するばかり。

で、適当な席に着く。書斎机のようなテーブルで、卓上の本棚といい、家具はちょっとゴシックで重厚感のあるアンティークやミッドセンチュリーで揃えているようだ。

全体の広さは個人の喫茶店としては広い方だと思うが、結構席を作っているので、卓と椅子の間隔が狭めでキツキツな印象。でも席ごとにローテーブルやソファー席などバラエティに富んでいて、皆さん思い思いにすっぽりハマるポジションを探して、狭さを楽しんでいる様子。

卓上の本棚の間に他の本に紛れるようにメニューがあり、写真と解説付きの品々の他、店のコンセプト等書かれている。注文は取りに来るまで待つようにとあり、メニューをパラパラめくっていると、自分と同い年くらいのお兄さんがお冷を持ってきた。小声で、時間掛かる旨の確認があり、奥の小さな厨房(後で見に行ったらコンロがやっと1つあるくらいのホントに小さな空間)へ戻っていった。

お冷のグラスは昭和の小物扱うレトロ雑貨とかにありそうなもの。
注文が来るまでの間、奥の本棚へ向かう。本は小説とかもあるけど、大判の美術系の書籍も多く、わざわざ買うには…と二の足を踏むようなものが気軽に手に取れるのは嬉しい。ジャンル別に大別されていて、とりわけ澁澤龍彦、赤瀬川原平、ユリイカの増刊みたいなのとかイカニモな本もしっかり揃っている。
丸田祥三あたりの廃墟系の本や、旅モノの写真集なんか数冊手に取り席で読む。と同時に、各席にある感想ノートも読む。ここの面白いのは、ノートの続きが読みたければ、同じに席に着けないと読めないという点。なので、中を読むと、前に来た席が取れなかった~とか書いてある。そんなんを読むのがとても面白い。そして書いてある内容は店の感想というよりポエム的だったり人生相談的なものが多く、どこか病んだ臭いがあって、とても店の性格を反映していて興味深い。

そうこうしているうちに、やって来た、シャーリー・テンプル¥650!

こういうところでは普段飲まないものを頼むようにしているので、そういうのないかと見つけたもの。シャーリーって誰やねん!どこの寺院やねん!と思ったら、ジンジャーエール+ザクロシロップにレモンを絞ったものなんだそう。
結構甘くてジュースっぽさがあるが、ザクロ由来と思われる酸味と元々は濃厚なドロっとしてんだろうなって思わせる果実感が、炭酸で爽やかに飲める。飲みごたえあって好きな味だった。

同行者のブラジル・ブルボン¥650!

紅茶みたいにポットで出てくる。過去、雑貨屋やアンティーク家具屋等に併設されたカフェというヤツで、まぁまともな珈琲が飲めた試しがないので(大抵はエスプレッソマシンで淹れた粉っぽいだけの300円くらいの無駄に苦いスカスカの珈琲)、正直全く期待していなかったのだが、これには驚いた。

メニューで謳うだけあって、甘みがあるチャンとしたブラジル豆とチャンと淹れている。浅めの炒り(ハイか行っててシティ)でブラジルの甘みを感じさせるグレードの豆を使うってのは、しっかりドリンクにも気を使ってる現れ。まぁこれだけ甘味あるブラジル豆だったら、深炒りまで炒れると思うのでガツンとしたの飲みたいところ。それは私個人の好みだから余談余談。
ともあれ、650円は全然安いシロモノだし、これがポットだから小さめのカップとはいえ2杯程飲めるんだから、皆んな長居するだろうし、大丈夫か余計な心配してしまう。

アテはクッキー盛り合わせ¥300!

いろんな種類のクッキーを合わせたものだそうだが、これは既製品だと思う。

まぁまさにチョットしたお茶請け程度。これはこれかな。あ、遅くなったお詫びとかで、しるこサンドももらったんだけど、個人的にそういうサービス要らない派なんで(お菓子のラムネとか飴くれる飲食店、気持ちは嬉しいけど困るんだよなぁ。基本菓子食わないから、いつも鞄の中で粉々になってしまう)、クッキーもあるし、困ってしまった(^^ゞ まぁいいけど。

スタイルだけの店じゃないのは十分わかった。読書は当然、飲み物でもゆっくりして満足して帰ってもらおうという気持ちが伝わった。
高円寺という町らしい店といえばそれまでだが、この異空間はオンリーワンであることに変わりない。この空間を作り、店として何年も維持していることに素直に敬意を評したい。
最後に、机の引き出しを開けた時が、この店の中で一番驚いた。ジオラマ!?

というわけで、美味しかったです。ごちそうさまでした。

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